医療の現場にいると、患者さんの訴えで多いのが「痛い」というものです。
しかしこれが難しいもので、痛みを正確に測定する事が出来ません。
例えば貧血だったら、血液を調べることで、どの程度の貧血か分かりますけど
この痛みというのは、血液検査をしても数値になって出てきませんし
レントゲンなどでも、出てくるものでは無いのです。
だからこそ、我々医療従事者は、その数値にならない訴えを聞き
それをいかに取り除くか。と言う事を行うのですが
時折、痛くないのに痛いと訴える人がいるのが困りものなのです。
痛いと言っている以上、対処しなくてはいけない、もしくは対処したいのですが
自分に都合の良い理由で
例えば検査に、もしくはリハビリに行きたくない。などの理由で
痛くもないのに、痛いという人がいます。
その後で売店などに自分でスタスタ歩行しているのを見ると
おいおいさっきは痛くて動けないって言っていたじゃないの。と思いますが
ツッコミを入れることは、私は稀です。
もし、痛みというのが正確に測定できたら
こんなことにはならないのでしょうけど。
患者さんが痛いと言っている以上、職員は痛いと判定しなくてダメで
医療従事者は、どうしても負けてしまいます。
明らかに嘘だと思っても
「嘘をつくな!」とは言えません。
しかし、測定できないことを良いことに、嘘をつくと言う事は
巡り巡って、自分に悪いことが降りかかるのだろうと思います。
案外私は罰が当たるとか、因果応報とか、そう言う観念が強いのです。
正直に、真面目に生きている人が
しっかりと報われると良いな。といつも思います。